背景
全国に拠点を持つ同社では、営業所・工場・施工拠点などから日常的に備品の発注が行われています。
オフィス用品、営業用の消耗品、現場備品などを合わせると、月300〜400件程度の購買が発生していました。
購買自体は外部の購買システムを利用していましたが、経理処理は別の会計システムで管理していたため、請求データは会計システムへ手入力する必要がありました。
経理部門では以前から
- 請求処理の作業負担
- 特定社員への業務集中
- 将来的な人員不足
といった問題を感じており、業務改善の検討が始まりました。
導入前の課題
月3日かかる請求処理
経理部では、毎月届く購買システムの請求明細をもとに、
自社の会計システムへ計上処理を行っていました。
しかし両システムは連携しておらず、処理はすべて手入力です。
具体的な作業は次の通りでした。
- 請求明細の内容確認
- 勘定科目の判断
- 拠点ごとの仕分け
- 会計システムへの入力
- 入力内容のチェック
請求件数は月に数百件。
この処理だけで
約24時間(丸3日)
の作業時間がかかっていました。
経理担当者の1人は当時の状況をこう振り返ります。
請求処理の時期になると、ひたすら数字を入力する作業が続きます。ミスを出さないように確認を繰り返すので、精神的にも負担が大きい業務でした。
業務が2名に集中する属人化
もう一つの問題は業務の属人化でした。
請求処理には
- 拠点ごとの勘定ルール
- 購買内容による勘定科目の違い
- 例外処理
など、細かな判断が必要でした。
そのルールを把握しているのは実質、経理担当者2名のみという状況でした。
そのため
- 担当者が休むと処理が遅れる
- 新しい担当者がすぐに対応できない
- 退職すると業務継続が難しい
といった組織リスクも抱えていました。
導入後の成果
月3日かかっていた作業が「1時間」に
購買システムと会計システムのデータ連携を導入したことで、請求データは自動で会計システムに反映されるようになりました。
現在、経理部門の作業は
- 計上データの確認
- 例外データのチェック
のみとなり、作業時間は
月1時間程度に短縮されています。
導入後の変化
導入前
24時間 / 月
月3日分の請求処理
導入後
1時間 / 月
計上データの確認と例外チェックのみ
削減効果
276時間 / 年
月23時間の削減
経理担当者が「分析業務」に時間を使えるように
これまで月初の数日間を占めていた入力作業がなくなり、経理部門ではより付加価値の高い業務に時間を割けるようになりました。
現在は
- 購買データの分析
- コストの見直し
- 予算実績の確認
- グループ会社との経理連携
といった業務にも取り組めるようになっています。
属人化が解消され、組織の安定性が向上
計上処理がシステム化されたことで、これまで担当者に依存していた業務が標準化されました。
現在は
誰でも対応できる業務フロー
になり、人員変更や担当交代にも対応できる体制が整いました。
経理部門では
担当者が変わっても業務が止まらない状態を作れたことが一番大きい
という声も上がっています。
グループ会社への展開も検討
同社では今回の仕組みを、将来的にグループ会社約30社への展開も視野に入れています。
グループ各社でも同様に
- 経理人員の不足
- 手入力による請求処理
- 業務の属人化
といった課題を抱えており、今回の取り組みはグループ全体の業務効率化につながる可能性があります。